ほくりん兄の信仰

私のキリスト教信仰の日常を綴ります。 放送大学大学院 修士課程在学中。関心分野:教誨師史、宗教セクタによる社会福祉史、介護保険受給者認定システム、エスペラント、博物館学、言語行為論

東日本大震災の月を振り返る

気持ちの整理

気持ちの整理のために映像や文学で寄り添い、振り返ろう。

まず、無理だったもの

  • テレビドラマ「おかえりモネ」

思春期の若い子や、成長後の彼らが食い扶持や住処・家族で悩み苦しんだ。私には若い人々の苦労を朝から見つめるのが耐えきれなかった。

おすすめ作品集

作:宮藤官九郎
言わずもがなのクドカンである。取材した内容と全き空想とのハーモニーが絶妙だ。
彼の脚本になる作品は、テーマによって見る客層ががらっと替わる。ドラマによって震災にコミットすることにより、本当の意味で、このドラマが虚実の調和に優れるものになった。 

  • マンガ「ナガサレール イエタテール」

ナガサレール イエタテール 完全版
まず、購入時は、いくつかのバージョンがあるので、気にしておいていただきたい。
作者は山元町出身のニコ・ニコルソンさん。おそらく本来の画風、作風とは異なるのだろう。実家が流される。ご近所のかたも流されていく! 
さあそれからどう生きるか。独特の明るいタッチに救われ、私たちも過去を振り返り未来を見つめ直すことができるだろう。

  • マンガ「リバーエンド・カフェ」

リバーエンド・カフェ(9) (アクションコミックス)
こちらは石巻市北上川河口付近が舞台となっている。劇画で知られる たなか亜希夫さんの作品だ。 
川の風、内陸の風、海風、また季節と天気によってヤマセが襲う地域である。コーヒーの豊かな香りに主人公が酔うとき、過去とは訣別するべく新しい世界が用意される。
そのとき誰が何をするか? それはあなたに与えられた課題だ。

  • 小説「荒地の家族」

荒地の家族
亘理町の思い出の体で、佐藤厚志さんが発表した小説である。井戸川射子さんの「この世の喜びよ」とともに第168回芥川賞を受賞した。
佐藤さん自身、粛々と書店で働きつつ、喫茶店でコツコツ文を書き連ねる生活を続けている。作の登場人物も、数十年間、良くも悪くも日々を生きている。 
いや、生きていない人と生きている人の間に違いはあるのだろうか。
このように心配する、あなた自身の優しさが、あなたを温める。そしてあなたは登場人物一人ひとりに、声を掛けるのだろう。